怒りを露にしながら一気にまくしたてる美女。
それに対し優衣の前に立つ龍之介も唸り声でも上げるかの如く、これでもかというほど吠えて返す。
まさに一触即発の状態。
凄まじい形相で睨み合う光景は完全にホラー映画の域である。
(え、な、なにがどうなって…?)
この状況の意味をまったく理解出来ない優衣は、不安になりながらも二人のやりとりを眺める他ない。
そんな優衣の手は知らず知らずのうちに繋いでいた龍之介の手を強く握り締めていたらしい。
ぎゅう…
その感触に気付いたのか、龍之介が美女から視線を優衣へと向ける。
すると美女に向けたものとは百八十度変わった龍之介の表情。


