そんななか、園内を歩き回り漸く見つけた人のいないベンチ。
そこへゆっくりと優衣の体をおろす。
「ひっ…やー…龍くん、やだよぉ…」
「な、泣くなって。何か飲みもん買ってくるだけだから!ちょっと待っとけ、な?」
丁寧にベンチへと座らせたはいいが、優衣はどうにも泣き止む様子を見せない。
それどころか、更に龍之介から離れたがらなくなってしまった。
状況的に嬉しい気持ちになるのは龍之介が男であるが故。
だが、この事態を何とかするのが先だと龍之介の理性が呼び掛ける。
その理性に従い、首にしがみついたまま泣く優衣の頭を撫でながら優しく言葉をかける龍之介。
優衣は兎のように涙で目を真っ赤に染め龍之介を見上げた。


