(あ、や、違う…違うの。そんな顔しないで…ちが…違う…っ)
「…ふぇ…違うのぉ…龍、く、ちが…のぉ…」
優衣はどんどんと離れていく龍之介の背中へと無意識に後ろから飛び込んだ。
その背中を捕まえぎゅうっと抱きつきながら、いやいやと首を横に振っている。
(やだやだ…行ったらやだ、の…っ)
駄々をこねるように龍之介の背中にぴたりと張りついている優衣。
じわりと浮かんだ涙は堰を切ったように溢れ、止まることを知らない滝のようにどんどん流れては優衣の頬を濡らした。
「ひっく…や、やだよぉ…いっちゃやだぁ……ぅ、うぇぇええん──…!!」
「ちょ、優衣!?」


