「んんー…これで、いいかなぁ…?」




誰もが心弾ませる日曜日の朝。



優衣の部屋はいつもの綺麗さからはかけ離れ、見るも無残な部屋へと様変わりしていた。

まるで泥棒でも入ったのかと思うほど、部屋中に散乱している服や鞄。


その中心で全身鏡の前に立っているのは不安そうな表情をした優衣。

眉を下げ、悩ましげに腕を通した淡いピンクのフリルがついた膝上丈のワンピースを触っている。



今日はついにやってきた龍之介との初デート当日。


昨夜から優衣はあーでもないこーでもないと着ては脱ぎ、夏希に電話をしたりと数時間にわたり色々な服を試していた。

その結果、ふんわりとした印象のこの服に決まったらしい。