そこで知らないうちに広まっていた噂の内容を知ることになる。

だが、正直なところ噂の内容など龍之介にとっては半分以上どうでもいい話で。


(優衣には申し訳ないと思ったが)噂になってたのか、程度の認識だった。


そういった根拠のない噂をたてられることには慣れている龍之介。

噂など次に新しい獲物を見つければすぐに消えてしまうものだ。


しかし、それを赤く涙目になりながら必死に話す優衣の姿に龍之介の心臓が疼く。




(……ようするに、可愛かったんだよな…)




気付けば、するりと口から零れていたあの言葉。




"じゃあ付き合ってみるか?"




恋してるのかと問われれば、まだまだ不十分だった龍之介の気持ち。


それでも、口にした台詞に嘘はなかったと胸を張って言える自信が龍之介にはある。