たべちゃいたいほど、恋してる。





青空に溶け込むような、穏やかな空気が二人を包んで。


ぐぅと鳴った優衣の腹の虫すら、音楽隊のように色を添える。


その音に額をあわせて可笑しそうに笑う二人。




「飯にすっか」


「はーい」




くすくすと小さく笑いながら優衣と龍之介は昨日と同じようにフェンスの近くへ並んで腰をおろした。




「おら」




ゴソゴソと鞄を漁り龍之介が取り出したのは見るからに大きな三段重とそれの5分の1以下の小さなお弁当箱。


二つとも綺麗な風呂敷に包まれている。


はらりと布を落とし蓋を開ければ、中からはまるで四季をそのままそこに詰め込んだような色鮮やかな料理が溢れだした。




「わぁぁあ!!美味しそう…」




その美しさに、無意識に口から漏れる掛け値なしの誉め言葉。