優衣に触れる龍之介の指は至極やさしく、その表情は柔らかい恐らくこの学校の生徒が今の龍之介の表情を見たなら二度見は確実だろう。
「明日も一緒で、いいの?」
「優衣が嫌じゃなければ……嫌じゃねぇだろ?」
そんな生徒達と感覚からして何かが違う優衣は、驚くこともなく龍之介の手の感触に嬉しそうに頬を緩めている。
その姿は飼い主に懐いている小動物にしか見えない。
「んにゅぅ…あい…待ってますっ」
優衣は気持ちよさげに目を細めながら龍之介の言葉に頷く。
素直に返事をする優衣に気を良くしたのか、龍之介は片手を頬から離しゆっくりと優衣の手触りのいい髪を梳かしていった。


