「お前も全部俺のものになるけど……どうする?」





今にも唇が重なってしまいそうな距離で紡がれた龍之介の熱く甘い言葉。


もう優衣に何かを考える余裕などなくなっていた。


真っすぐな瞳に映っている自分。

その事実に優衣の体は内側から熱を発する。



捕らえられたら最後、逃げられない。




「…………うん」




視線を逸らさぬまま返した返事。


優衣の瞳にもまた龍之介だけが映っている。




「それは了承でいいのか?」


「あい」




まだ恋愛感情がどんなものなのか、これが恋なのか、優衣にはわからない。


ただ、あの瞳に見つめられたい。


彼に触れたい、という感情だけが優衣の中を占めた。