すると、その動きに沿うように優衣の頭を撫でていた龍之介の手がするりと髪を滑った。


ゆっくりと髪をなぞり龍之介の指が行き着いたのは、ピアスなどの飾りが一切ついていない優衣の綺麗な耳。

その耳に走ったせいでほつれたのであろう髪を一房かけてやる。


同時に耳元へ寄せられたのは龍之介の唇だった。




「じゃあ、俺と付き合ってみるか…?」




時折耳を掠める唇と直接頭に響くような龍之介の低い声。


麻酔のようなそれに、優衣は無意識に体を震わせる。




「……はぅ…っ」




顔を桃色に染め、ぎゅっときつく目を瞑る優衣。

それを知ってか知らずか、龍之介は駄目押しとばかりの言葉を続けた。