たべちゃいたいほど、恋してる。





「…ふぇ…」




柔らかくかけられた夏希の言葉に涙目のまま顔を上げた優衣は、直ぐ様荷台に跨ると目の前にある夏希の細い腰にギュッと抱きつく。




「…なっちゃん、ごめんなさい…だいすき」




グリグリと額を夏希の背中に押し当てながら謝罪する優衣。

そして甘えるように手の力を強める。




「たっく…ずるいなぁ、うーちゃんは」




甘えたモードが発動した優衣に夏希は仕方ないから許しちゃる、と言って左手で優衣の頭を撫でると漸く学校に向かって自転車を漕ぎだした。


これが優衣の日常。


優衣の一日はこうして始まるのだ。


だけど今日は少しだけ空気の色が違って。

変わらない日常は少しずつ、しかし着実に変化し始めていた。