場所が分からないまま
路地を曲がると
子供達が
遊んでいる光景を
目にした。
道に目を向けると
自分の家族を
描いた物だろうか?
髪の長い女性と
短髪の男性。
真ん中に小さな
おかっぱ頭の
女の子の絵が
白いチョークで
描かれている。
辺りを見回すと
瓦の家が立ち並び
駄菓子屋があり
遊んでいる子供達の横をプーと笛をならしながら豆腐屋が自転車を乗り
近所に売っている。
どこか懐かしさを
覚える街並みだ。
すると割烹着を
着た女性が
遊んでいる子供に
子供の目線に
合わせる様に
しゃがみ笑顔で
話しかけているのが
見える。
話の内容は分からない。話を終えたのか
子供の手をとり
家の中に入って行った。すると再び
ガー!!と音と共に
ノイズが私の
視界を遮る。
気が着くと
先程と同じ場所だが
夜だった。
転々と電柱の明かりが
ぼんやりと点き
明かりの周りには
小さな虫が飛んでいる。何も考えずに私は
舗装もされていない
道をトコトコと歩く。
一件の家から灯りが
もれているのが見えた。なぜだか私は無性に
その家に行かなければ
いけない様な気がした。