今日は恵も
幼稚園が休みで
恵と早紀は
ジャポン玉を
晴れた空に向かい
飛ばせていた。

ジャポン玉は
青い空に
七色に光ながら
音も立てずに
割れる。

そんなジャポン玉を
見ながら
恵は愛くるしく
笑顔になる。

「ジャポン玉ですか。綺麗ですなぁ~」

早紀と恵が
ジャポン玉を
飛ばしていると
早紀と恵の横から
嗄れた声がする。
声の方向をみると
黒装束を
身にまとった
坊主の姿があった。

早紀は
とっさに住職だと思い
頭を深く下げた。

住職はニコニコしながら早紀に話しかける。

「来るのが遅くなり申し訳ありません。何度か、電話をしたのですが、出なかったので、いきなり失礼かと思ったのですが、あなた様の・・・・そうですか・・早紀さんというのですね。では、早紀さんの後にいる方が、今日なら大丈夫だと伝えてくれたので来ました」

会ったばかりの
住職が何故?
自分の名前を
知っているのか?
そして
自分の後にいる方とは
誰なのか?
分からなかった。

それ以前に
住職からの
電話等かかってきて等
いなかった・・・

「失礼ですが・・・電話は一度も、かかってきてはいませんが・・・」