「我がままばかり言わないの!!ご飯、食べないなら片付けるからね!!」

早紀の言葉を聞き
ぐずつきながら
大粒の涙を流す恵。

すると
ドアをノックする
音が聞こえる。

コンコンコン

早紀はドアを
チラリと見て
ぐずる恵に
頭をかきながら
伝える。

「ほら、直人くんのお母さん、来ちゃったじゃない!!」

怒った口調で恵に
伝える早紀に対し
更にぐずる恵。

「いきたくない!!ようちえんに、いきたくない!!」

完全に恵の我がままだと思い込み
叱り付けてしまう早紀。
「いい加減にしなさいよ!!幼稚園に行かなくちゃダメ!!」

ぐずつく恵の体を
無理やり抱き上げ
玄関のドアを開けると
恵と同じぐらいの
歳の子が4人と
直人くんのお母さんが
立っていた。
直人くんのお母さんは
涙を流す恵みを見るなり言葉をかける。

「恵ちゃん、おはよう。今日は、ご機嫌、斜めかな」

早紀は
頭をかきながら
困った様に答える。

「おはようございます。すいません。朝から、ぐずついちゃってて、ご迷惑、かけちゃうけど、よろしくお願いします」

直人くんのお母さんは
困り果てる早紀に対し
笑顔で答える。