ビッショリと濡れた
パジャマ姿のまま
下を向き
俯いたまま
何も言おうとしない恵。
早紀は
そんな恵から目を離し
時計を見る。

「これからは、トイレにちゃんと行くんだよ。時間が無いから、制服に着替えて幼稚園に行こう」
恵の濡れたパジャマを
洗濯機に
手早く入れる。

軽く洗い
制服に着がえる恵。

「恵。早くご飯食べてね。直人くんのお母さん、迎えに来ちゃうから」

恵を急かす様に
食事を食べる様に
促す早紀。

目の前に
置かれた箸が
テーブルに置かれたまま一向に手を
つけようとしない恵。

その姿を見た
早紀は
少し苛立ちながら
恵に食事を
食べる様に促す。

「早く、食べて。食べないとお腹空いちゃうから」

早紀の言葉に
むくれながら答える恵。
「たべたくない・・」

恵のそんな言葉に
困り果てる。

「えっ?どうして?どこか悪いの?」

恵の体調不良かと思い
恵のおでこを触るが
格別
熱がでてる様子は無い。
念の為
体温計で熱を計ろうと
恵の体温を計ろうと
恵の脇に体温計を入れ
体温を計るが
平熱を保っていた。

早紀は恵の我がままだと思い
恵に強い口調で
注意を促した。