早紀の実家から帰り
数日立ってから
恵の異変に気付く。

だいぶ前に
やらなくなった
指しゃぶりを
最近になり再び
やるようになった。

恵は自分の親指を
早紀を見ながら
しゃぶる。

そんな姿を見て
早紀は
注意を促す様な
口調で恵に伝える。

「恵。赤ちゃんみたいだから、指を舐めるのやめなさい」

早紀の言葉を
無視するかの様に
その行為を止めようと
しない恵。

早紀は
一つため息を吐き
そのうち治るだろうと
思いつつそれ以上
恵に何も言う事は
なかった。

それから数日たった朝
寝ている恵を
起こそうと
恵の部屋に行き
ぐっすりと眠る
恵みを揺すり起こす。

「恵、起きて。朝だよ」
一向に起きそうもない
恵に対し
恵にかけられている
布団を捲りあげる。

掛け布団を捲りあげると恵みの敷き布団や
恵の掛け布団の内側やらパジャマが
ビッショリと
濡れていた。

布団を捲りあげられた
恵は
驚き起きる。

そんな姿を見た
早紀は
困った様に
恵にたずねる。

「どうして?おトイレにいかなかったの?1人でトイレに行くのが怖かったら、どうしてお母さんかお父さんを起こさないの?」