「こんにちは〜! 大丈夫か?」
大輝がそんな事を言いながら、家にはいる。
「大輝! よかったぁ、来てくれて!」
私は抱き付きながら言った。
すると、
「恥ずかしいんだけど……」
と、ぼそっと言った。
そこで、私は自分のとった行動が最悪だと気づいた。
こんな事したら、いつもと一緒のようには見えないじゃない!
私ったら、何やってるのよ!
『二人は仲がいいの?』
息ピッタリで聞いてくる。
私は恥ずかしくなって、うまい言葉がみつからない。
が、大輝が二人に視線を合わせて、笑顔で言った。
「うん、そうだよ。昔からだいの友達なんだ」
大輝、うまいわ!
これなら、変な風にみられなくてすむわね。

『恋愛関係じゃ、ないの?』

私と大輝と煉、全員の動きが止まる。
私は気まずくなってきた。
理由はこの二人の気持ちを知っているから……。
このままじゃ、喧嘩になっちゃう!
話をそらさなきゃ!!
そん事を考えている私に、さらに拍車をかける言葉を二人は放った。
「香織お姉ちゃんは、どっちが好きなの?」
「好きなの?」
らなちゃんとりなちゃんが笑いながら聞く。
「俺も、それは気になるな」
「僕も、聞いておく必要があると思うんだけど」
大輝と、煉が順番に笑いながら言ってくる。
もう、終わったわ……。
私にどうしろと言うの?
私はどちらのことも好き。
選べない……。
ホントに、どうすればいいの?
どっちも好きで、いいのかな?
でも、怒られそうな気がする……。
はぁ〜。

『はやく言え!!』

命令系の言葉でそう言ってきた。
ホントに
どうすればいいの〜??

ピンポ〜ン! ピンポ〜ン!

家のチャイムが鳴った。