「おいおい、どういう事だよ! 日野がヴァンパイア鬼って……」
大輝がそう言った。
私だって聞きたい。
どういう事?
「香織?
今日、何で来なかったの?
待ってたのに!
で、仕事で来た先のヴァンパイアの屋敷に、何でいるの?」
あきが低い声で聞いてきた。
「ごめんね……。
急に呼び出されて、それで、連絡するの忘れてたの……。
ホントにごめんね!
でも、何であきがヴァンパイア鬼にいるの?」
私は少し声のトーンを下げていった。
「何でって、親がヴァンパイア鬼にいて、さらに、
ヴァンパイアが憎いからよ!
香織こそ、何でヴァンパイアの屋敷にいるの?」
「私は純血のヴァンパイアで、ボスの命令だったからここにいるのよ!」
私は強い口調でこう言った。
でも、本心はあきのヴァンパイアは憎いという言葉で悲しみに溢れていた。
すると、あきが笑いながら言った。
とても悲しい事を……。
笑いながら……。


「最悪! 今までヴァンパイアと仲よくしてたなんて! 早く、
殺さなきゃ!!」