私は魔術でヴァンパイアによくきく剣を出して、華鈴のほうへ走った。
「そんなこと、ゆ、許されない、わよ!」
華鈴は怯えているようだった。
どうして怯える必要があるのかしら?
華鈴も殺人魔女なんだから、私のことを殺せばいいのに。
何で、やらないのかしら?
まぁ、いいや!
じゃまされずに殺せるものね!

「ダメだ! 香織!!」

あと少しで刺さるところで私は、勢いを止めてしまった。

だって、大輝に言われてしまったら、やめないわけにはいかなかったから。

でも、あと少しだった。

止めてもらえなかったら、華鈴は死んでた。

死んでた。

最悪だ。

もう、私なんて大嫌い!

消えて、無くなってしまえばいいのに!

「私なんて、消えちゃえばいいんだわ!!!」
私は泣いてしまいました。

かっこわるいのに。

なのに皆、
「大丈夫だよ!」
とかいって、私を慰めてくれた。

華鈴も謝ってくれた。

大輝も元気になった。

良かった!

そんなことを思っていた夜におきた悲劇は、


やさしいものではありませんでした。