立花香織の秘密

私が目覚めたのは夜だった。
あたりは真っ暗で何も見えなかった。

ここはどこだろう？
私は死んだの？
どうなんだろう？
わからない……。

そんな時、部屋の戸が開くような音がした。
こちらに向かってくる足音も聞こえた。

誰だろう？
そんな事を思っていると、不意に声を掛けられた。
「大丈夫か？　香織」
誰？
大輝？
「た、いき……？」
「そうだよ！　大丈夫みたいだな。よかった！」
大輝だ！
大輝が私の事を心配してくれている！
よかった！
でも、聞かなきゃ。
本当は嫌なのかも知れないから……。
「大輝？　私のこと、今どう思ってる？」
「えっ！　別に、嫌いじゃないよ！」
「え！？　何で分かったの？ それに、私のこと嫌いじゃないの？」
「あたりまえだろ！」
大輝は笑いながら言ってくれた。
私は嬉しくて、嬉しくて泣いてしまった。
そんな私を大輝は優しく抱いてくれた。

その時、私は茜と交わした最後の約束を、思い出した。