その時だった。 茜は凶器を取り出して、自分の心臓に刺した。 「香織の、せいじゃ、な、いからね」 「茜……。どうして? どうしてなの?」 「もう、耐えられなかったから……。ゴメン、ね……。 ありがとう! 楽しかったよ! さようなら、香織……」 嬉しそうな顔でそう言った瞬間だった。 茜は刺した凶器を横に 引き抜いた。 真っ白な部屋に、真っ赤な花がさいた瞬間だった。