空気が熱を持って膨れ上がり、俺の体を貫いて爆発した。


心臓の奥底が激しく震える。


赤、青、緑と目まぐるしく変わるライトは、ちっぽけなライヴハウスを異空間に思わせた。


ずんずんと、脈を打つ空間。


アドレナリンが身体中を巡って、頭の芯がズキズキと痛んだ。



「――――!」



絶叫。


マイクに噛みつかんばかりの、絶叫。


照らし出されたステージの上で、ボーカルが跪いている。


両手でマイクを引っつかみ、金髪を振り乱しながらわめいていた。