時間が来て、料金を精算する。
外はすでに暗くなっていた。
「諸君、お疲れ様」
なんで新入部員歓迎会でこんなに疲れなくちゃいけないんだ。
「また来週からよろしくねー」
カナコも楽しんでいただろう。
出来れば早く止めて欲しかった。
「お疲れさまー」
ため息をにも似た声でサヤが言った。
本当にお疲れ様としかいいようがない。
エイヤはあらぬところを見ている。
大丈夫だろうか。
「……ふう」
リンが本当にため息を吐いた。
「えー、ではみなさん。気をつけて帰ってくださいね」
くるりんが言った。
それを言わなければ今日、教師らしいところなどどこにもなかっただろう。
「諸君、お疲れ様」
口々に別れの『お疲れ様』を告げる。
そしてそれぞれ自分の交通手段のところまで向かっていく。
くるりんは車で来たようだった。
「二人は歩きでしょう。乗っていきますか?」
そう聞かれたが、リンは断った。
さすがにリンを一人で帰すには時間が時間なので、オレもバスで帰ることにする。
帰りのバスにはかなりの人数が乗っていた。
朝のようにもいかないので、リンに本を読むのはあきらめてもらって二人並んで座った。
「……」
疲れきっているのか、祭りのあとの静けさというものか、二人はしばらく黙ったままだった。



