「ブラボー!!」
一番にキョウスケが叫んだ。
気持ちはわかるが、黙っておけ。
モニターの画面が切り替わる。
得点は……90!?
70点のオレがゴミのようだ。
リンがくるりんにマイクを渡す。
次の曲は……これも知らない曲だ。
メロディは……演歌?
表示された歌詞の先頭には、トランプで使われるマーク。
それが何か、オレはすぐに予想がついた。
デュエット曲だ。
「ははは、わかっているじゃないかくるりん!」
備えのマイクを取り、叫ぶキョウスケ。
この二人……仲がいいのか、それほどなのか。
「さて、一巡したところで」
まだ一巡しかしていない。
「これから適当に曲を入れる。順番は今の通りで、何がきても歌いたまえ」
……は?
「ちょっと待て」
「聞かない。――カラオケフリーダム!」
フリーダムなのはアンタの発想だ。
「先輩、知らない曲がきても歌わなくちゃいけないんですかー?」
サヤ、まともな質問だ。
「無論だ。音をひろって歌いまえ」
無茶苦茶だ。
結局、全員無理矢理歌わされた。
カナコがやたら古いアイドルの歌をノリノリで歌っていたこと以外の記憶がほとんどない。



