静かな食卓は、あっという間に終わりを告げた。
六等分にしたピザも完食。
キョウスケ、カナコ、サヤ、リンは食後のコーヒーを飲んでいた。
「さて、これからカラオケだね」
「キョウスケはカラオケが好きなのか」
「うむ、大好きだよ!」
意味もなく意気込まれた。
ここでは波乱が起こらなかったから……やはり、カラオケが問題なのだろう。
オレたちは無事に帰ることが出来るのだろうか。
――乞う、ご期待!!。
オレも意味もなく意気込む。
「ごちそうさまでした」
みんな、口々に言う。
「カラオケは歩いてもいける距離だが、どこかわかるかね?」
「いや、まったく」
カラオケ自体初めてだ。
「私もです」
「そこですか?あたしは行ったことありますよ」
「俺も」
「――ここまでどうやって来たかね?」
「オレとリンはバス」
「あたしとエイヤは自転車」
二人は自転車か。
家が学校に近いのなら、駅は自転車で来られる距離だな。
「わたしは自転車。バイクは――最近ガソリンが高くって」
カナコは普段バイクに乗っているのか。
そんな印象はないな。
「ワタシも自転車だ。――ではカナコ君とサヤ、エイヤは先に行って部屋を取っておいてくれたまえ。ワタシはリン君とナオキを送ろう」
そんなわけで、オレたちは二組分かれて行くことになった。



