イタリア料理店。
六人で座れる席を見つけ、座る。
上座下座なんて作法も気にせず適当に座る六人。
「さて、何でも好きなものを頼んでくれたまえ。千円以内で」
「ケチるなよ」
「オーバーしたら自腹だよ」
キョウスケが笑いながら言う。
まあ、おごりなんであまり文句も言えない。
それに、ほとんどの料理はドリンク飲み放題を付けても千円をオーバーしなかった。
うん、店のセレクトの時点でケチっているな。
「せっかくだし、ピザでも頼もうか」
「わたしがまとめて言うから、みんな注文言って」
各々がメニュー表とにらめっこする。
ランチにはドリンク飲み放題もつくし、何より安い。
オレは……ランチのミートスパゲッティにしよう。
「ラン」
「俺はランチのミートスパゲッティ」
エイヤが言った。
「オレもだ」
「どうして同じメニューにするんだ」
「お前こそ」
というか、お前もランチ……って、普通か。
「あたしはランチのドリアで」
「私もお願いします」
「うん」
カナコがメモを取ることもなく覚える。
「ではワタシはこのステーキを頼もう。ドリンクバーを付けてくれたまえ」
「あまりにも夕食メニューすぎるだろ!」
思わず言葉が変になってしまった。



