リン、助けてくれるのか……!
「ナオキさんは、幽霊部員になるためにこの部活に入ったんですよ」
「ななな、な、なにを言ってるのかなリンちゃーん?」
「……ナオキさん、動揺しすぎです」
墓穴を掘ってしまった。
「……その通りです」
白状する。
あっさり折れてしまうオレ。
「まあ、そんなところだと思ったよ」
キョウスケの口調は軽かった。
「それで、キミはこれからどうするのかね?」
「それは……」
昨日、リンに宣言した。
それは、今も変わらない。
「ちゃんと、来ます……」
「……ふむ。そうしたまえ。明日のカラオケも一人の負担額が減るからね」
キョウスケは不誠実な部員がいたというのに、怒らなかった。
「ワタシも純粋な気持ちで文芸部に入った人間ではないからね。――この部活に入る人間は、むしろサボりたい気持ちのほうが大きいだろう」
「私はやる気ありますが」
「リン君はそうだろう。――しかし、奥の二人だって何を考えているかはわからんさ」
「あはは、バレてましたか」
「俺はサヤに強制されただけだ」
「そうしてこの部活もだべり部になってるんだから。何も気負うことなんてないよ」
カナコが優しい言葉をかけてくれる。
「私は不本意ですが」
「とにかく、キミに振ったのはいつものノリだ」



