「この学校のテストはいつでしたか?」
テストか……メンドクサイ。
その単語を聞くだけで鬱になる。
「テストかね?――いつだったかな?」
もうだめだキョウスケ。
一方カナコは部室のロッカーからカレンダーを取り出す。
カレンダーはよく見えるところにかけておけよ。
何で巻いてあるんだよ。
「この学校は前期後期制だから……中間は六月。期末は夏休みが終わった後になるね」
うへえ、六月まで一ヶ月しかない。
「ちなみに、赤点の三十点を下回ると留年だね」
留年。
中学校にはなかった制度だ。
まったく意識してなかったが、やはり勉強しなくてはいけないらしい。
「なに、過去のテストを見せてあげようじゃないか。これが部活に入るメリットというものだよ」
そんなサブのメリットだけで、メインの文芸活動はどこにあるんだ。
「まあ一年の前期はあまり苦労しなくてもいい点が取れるよ。……それに図に乗らないことだね」
「なるほど。カナコ君のあれは図に乗っていたのかね」
「ううん。ちがうよ」
「カナコ君も心の中では『うはwwwわたし天才wwwww』とでも考えているのか。まったく嘆かわしい」
「わたしそんな変態じゃないよ!」
カナコは自爆しやすいタイプとみた。



