文芸部。
結局五日目に延びてしまったが、今日は実活動人数の検査が行われる。
オレとリンが部室に入ると、文芸部六人全員がいた。
最初人数が足りないときはどうしようかと思ったが、こんなにもあっさりとクリアしてしまうとは。
正直、問題がなくて拍子抜けした感もある。
「よく来た!諸君、今日は活動人数を検査される。――とりあえず、あんまり早く帰らないように」
別に問題はないだろ。
「まあ、文芸部も停休部廃部の危機を逃れ、ちゃんと活動できるのもみんなのおかげだよ」
カナコ……。
……『ちゃんと』活動した記憶はないぞ。
「明日は歓迎会だし、今日は堅苦しいことはなしにしよう」
いつ堅苦しいんだこの部活は。
「ところで、三年生のみなさんは受験勉強とか忙しくないんですか」
リンが尋ねた。
ささいな質問だったのだろう。
が――キョウスケとカナコは押し黙った。
「ははは、……来年のことを話すと、鬼に笑われるよ?」
「受験勉強は今年から始めないとダメだろ」
「問題は先送りにしてもいいんだよ」
カナコがうつむき加減に答える。
何だこの二人……勉強アレルギーでも患っているのか?



