不思議病-フシギビョウ-は死に至る



「それで今日は部誌を見てもらおうと思って」

カナコの手にはA4サイズの冊子が四冊握られていた。
傍の机にも表紙の違う冊子が積んであった。

オレはホチキスで止めた手作り感たっぷりのものが出てくるだろうと思ったが、どうやらちゃんと製本したものらしい。

各々受け取る。

「ちなみに、発行は学祭の前だよ」

「原稿の締め切りは九月になる。ちなみにテーマはない」

「……それぞれが自由に文章を書くんですか」

へえ。
思ったよりまともに活動しているんだな。

「要望があれば新しく創刊するが。どうかね?リン君」

「えっと、考えておきます」

「サヤはどうかね」

「あたしも保留で」

「エイヤは」

「俺も」

「ふむ……カナコ君」
「オレにも振れよ!!」

なんかオレ、キャラ決められたような。





「それ、持って帰ってもいいよ」

「いいんですか?」

サヤが嬉しそうに聞く。



なぜか長い沈黙。



それから、カナコが言った。

「まだ余ってるからね……」

大体そんなものか。

「在庫がないよりある方が安心できるだろう?」

「それだと普通、維持費がかかるぞ」