「はい、遊びに行きましょう」

リンはやっと笑ってくれた。

やっと。

オレはそれに見とれてしまう。



そこで、リンがはっと気付く。

「……寝過ごさないでくださいね」

「まさか……そんなことするわけ……」

あるかもしれない。

うーん、どうしようか。

「……ほら、あれがあったじゃないですか」

あれ、って?

「ケータイに予定を書いておくんです」

ああ、そういえばそれをリンに見せたことがあった。

ちなみに、相変わらずリンはケータイを持っていない。

オレはケータイを取り出すと、ボタンを押す。

カレンダーの表示……明日の日付のところに、書き込む。



リンと……デート?

これってもしかして、デートなのだろうか?

……なんか、恥ずかしい。

とりあえず、リンとデート、と書き込む。

「これでよし」

「ちゃんと書きましたか?見せてください」

ひょいとリンがのぞきこむ。

あ……見られた。

リンとデート。

その文字を見て、リンが固まった。

「……な、なんですかこれ」

「……見てのとおりだ」