――七夕の元来は中国。

それが日本に伝わり、元からあった古事記などの話と混ざり、今に至る一つの説話である。

内容のバリエーションは多岐にわたるらしいが、ここはオレが知っているものを一つ。





機織の上手な娘、織姫。

しかし働いてばかりではかわいそうだ、と父の天帝が牛飼いの夏彦と結婚させた。

二人は幸せな結婚生活を送ったのだが、そのせいで二人はまったく仕事をしなくなった。

それを怒った天帝は二人を天の川で隔て、一年に一日、七月七日だけ会っていいとした。

しかし七月七日に雨が降ると川が増水し、二人は会うことができない。

そんなときはカササギが橋渡しをしたそうだ。





それに七月七日は芸の上達を祈る祭りがあるから、人々は短冊に願いを書くそうだ。

機織が得意な織姫にあやかって。



今年、織姫と夏彦は出会えただろうか。

今朝は晴れていたし、きっと出会えただろう。

そこへオレはこう願う。

織姫と夏彦ができるだけ長くいられるように。



『明日天気になあれ』



と。





この七夕にまつわる話は様々だ。

新暦と旧暦とか……まあ、それは言わないでおこう。

リンに言ったら、夢がないです、とでも返されそうだ。