ガラス戸なので、中を見てみる。
いた。
キョウスケとエイヤ。
「……なあ、もう行っていいか」
「その程度でやめてしまっていいのかね?」
「……だがなあ」
「まさかこんなに早くあきらめるつもりかね?その程度の覚悟だったのかね?」
「……いや、これは違う……」
なんて声が聞こえてきた。
熱中症にならなければいいが、しばらくして出てこなかったら見てこよう。
一時間くらい経ってから。
浴場を出る。
部屋に用意されていた浴衣に着替え、出る。
すると一人、見知った影を見つけた。
「リン、早いな」
リンは広く取られた窓から外の景色を眺めていた。
「あ、変態……じゃなくてナオキさん」
「間違わねえよ」
「はい、二回目ですから」
そうだったのか。
リンのとなりに立って、同じ景色を眺める。
暗闇の中に、ぽつぽつと点在する光。
それも、橙色から青色まである。
そういえばいつか、同じようなものを見た気がする。
そのときもリンと一緒だった。
――集団宿泊か。
そういえばそんなこともあった。



