男女別の大浴場。
見たところオレの家くらい広いんじゃないだろうか。
それくらい広かった。
時間がずれているのか、オレたち三人意外に人はいないようだ。
湯船からは湯気が昇り、浴場の端が見えないほど。
壁にたくさん並んだシャワーと鏡。
ピラミッド型に積まれた桶を一つ手に取り、湯船からお湯をすくう。
……温かい。
それから、足を浸ける。
ゆっくりと体を沈めていく。
……身に染みる。
今日の疲れが癒される。
「はあぁ……」
「なんか変態……じゃなかった、オヤジっぽいな」
「間違わないよな、そこ」
ふと、ガラス戸の向こう……外になっているんだが、そこに風呂が見えた。
「露天風呂があるのか。行ってみようかな」
「……のぞくなよ」
「のぞかねえよ」
露天風呂はいいんだが、移動している間が寒い。
結局すぐに戻ってくる。
というか、一人はつらかった。
で、浴場を見渡すが、
「二人はどこに行った?」
何だか迷子になった子供の気分になる。
歩いていると、扉を見つけた。
サウナと書かれている。



