そう、オレたちは団結する。
一人じゃないから。
それから文芸部メンバー六人がそろって旅館に戻る。
冷えたので風呂に入るのだ。
「のぞかないでくださいね」
「リン、誰に言っているんだ?」
オレは後ろを振り向くが、誰もいない。
「そうやって矢印を他人に向けようとしても無駄ですよ」
「オレに言ってるのか!?」
すると、他の全員の目線がこちらに向く。
「ヤだ」
「サヤ、お前一言で片付けるな」
「……大丈夫。サヤのことは俺が守るから」
「ふざけんなエイヤ。セリフを使う場所が違うだろ」
「なるほど。ワタシも全力で阻止しよう」
そんなことで協力するな。
「……ふむ、そういえばナオキは前科持ちだったね」
「え?」
キョウスケが言って、カナコが明らかに引いているのが見えた。
「前科なんて持ってない!オレはシロだ!」
「確か集団宿泊でのぞいたのでは?」
「『では?』じゃねえよ!過去にのぞいた人間がいたって話をしていただけだろ!オレと重ねあわせるな」



