間隔の空いた外灯に照らされる浜辺。

そこにキョウスケが一つの影を落としていた。

「――よく来た」

キョウスケは普段から表情の変化が乏しいと思う。

テンションが高かろうと、低かろうと。

しかしそこには感情が見える。

今は、そう、アルカイックスマイルと言っただろうか。

そこには笑みがあった。

何をそんなに嬉しそうにしているのかわからない。

それが不敵な笑みにも見える。

だから恐ろしい。

しかし、

「……俺の覚悟が生半可じゃないってことを証明しなくちゃいけなかったからな」

エイヤが、キョウスケの正面に立った。

あれから二、三時間しか経っていないというのに二人は対峙する。

そう、

「この短時間でキミは変わることができたのかね?」

あの場にいなかったキョウスケは確かにそう思って仕方がないかもしれない。

しかし、オレは知っている。

「……変わったさ」

エイヤの心が変わったことを知っている。

だからきっとエイヤが勝つ。

オレはそう思う。

「寒いから、すぐに決着を着けよう。……構えたまえ」