それから五人で集まって話し合った。

オレとエイヤの提案をみんな黙って聞いてくれていた。



これは誰のためだろうか。

エイヤのため?サヤのため?

いや、キョウスケを含めた文芸部メンバーのためだ。

オレたちはオレたちのためにオレたちの誓いを立てる。



話が一通り終わる。

キョウスケに一番近いカナコもうなずいてくれた。

「まあ、うまくいくことを祈るよ」

何だよ、その他人行儀な言い方。



カナコにキョウスケを呼び出してもらう。

場所は――浜辺。

キョウスケがエイヤに覚悟を聞いた場所。

そして、その覚悟を砕かれた場所だ。

しかし、今からそれを塗り替えに行く。

――新たな決意を誓う場所へと。





旅館を出る。

暦の上では夏と言っても、夜はまだ肌寒い。

暗い道を外灯と月だけが照らしていた。

それも浜辺までで、海やその向こうは光が分散して消えていた。

闇があった。

……オレたちの考えた作戦はキョウスケに勝てることが出来るのだろうか?

その不安が、闇の中でうねっていた。