「1、2!」
「1、2!」
ようやく埠頭に着いた。
カッターが接岸し、固定される。
……やっと陸に戻ってきた。
「よっと」
陸に上がった藤沢も少し元気を取り戻していた。
「舟だけに」
オレの気持ち悪さも陸に上がった途端、どんどん引いていった。
結局、全員で戻ってはこれなかったが。
「……波乱万丈だったね」
藤沢がまとめた。
「……海だけにか?」
オレは、あまりにもそのまますぎた。
さて、これから無理矢理昼食なのだが。
「オレ、リンの様子を見てくるよ」
藤沢に告げる。
が、
「僕も行くよ」
やはり藤沢も気になるようだった。
それじゃあ昼食の席が……今はそんな場合じゃないか。
「多分、救護室にいると思う。行こう」
藤沢と一緒に、オレたちは見舞いに向かった。
救護室はロビーのすぐ隣にあった。
リンはもう大丈夫らしく、オレたちはすんなり中に通してもらえた。
リンが白いシーツのベッドで横になっている。
開口一番、
「……ごめんなさい」
リンが謝る。
「その……ナオキさんが助けてくれたって聞きました」
助けたって言うほどのことはしていない。
それより。



