で。
こいつらは一体何をしに来たんだよ。
しばらくお互い黙ったあと、不意に後ろに気配を感じた。
パッと後ろを振り向いたうちは、立ち尽くした……。
「よ。稜ちゃん」
「く…栗崎!?」
どーして栗崎がうちの後ろにいるわけ!?
ってかうちの後ろって、家の門じゃん。
どうやって入ったのよ、ここに。
いろんな疑問が頭を渦巻く中、栗崎の奇妙な笑みに一種の恐怖心が湧き上がる。
何でっていわれてもわかんないんだけど、なぜか栗崎には今まで出会ったことのない雰囲気がある。
その所為かも知れないけど、栗崎には、誰を相手にしても動じなかったうちを動揺させる何かがある。
「何……してんだよ」
「冷たいなぁ、やっぱり」
「返事になってねぇよ」
栗崎をまっすぐ見つめると、言葉が出てこないから、栗崎から少し視線を外して言葉を発す。
「何でそんなに怯えてんの?」
うちのバイクを飛び越えて、少しうちに近づいて。
ちょっとずつ、近づいてくるから、うちは後ろに下がる。
いつか終わりが来ることはわかってるけど、このまま栗崎との距離が短くなるのがイヤだから、後ろに下がり続ける。

