信二にお礼を言って、バイクに跨って、鍵を挿す。
栗崎が組にうちのことを聞きに来てたのは不思議だけど、あいつが何を考えてんのかなんてわかんないから、あんまり気にしない。
信二はまだ川原から動く気配はないから先に帰ることにして、バイクを発進させる。
バイクを走らせながら、それでもやっぱり栗崎が組に来たことを考える。
あのバカ男、今度は何を考えてんだよ。
電話でのあの不気味な言葉と声。
時々見せる影の部分。
生徒会長の裏にはいったい何が潜んでるの?
先生受けのいい、生徒からもめっちゃ憧れられてる生徒会長なのに、何を企んでるの?
別に、生徒会長だって人間だ。
何を企んで、裏に何が潜んでいようとおかしいわけじゃない。
だけど……それにしても、だ。
表と裏とのギャップが大きすぎる。
確かにあいつ、自分が手にいれたいものは何が何でも、どんな手段を使ってでも手に入れそうだな。
もしかしたら、組員からうちの弱みでも聞き出して、それをネタに俺と付き合えとか言うつもりだったのかもしれない。
……ありえなくはないか。
でも、あいつに知られて弱みになりそうなことはない…はず。
とりあえず、あいつが何を考えて、何を企んでいるのかがわかればなぁ…。

