「信二って意外とロマンチックな場所知ってんだな」
「っるせー」
照れ笑いなのか、苦笑いなのか、信二の顔がちょっと引きつった。
「ほら、そこ座れ」
信二が先に座っている場所の横を手で叩いて指示する。
そこに座ると、信二が深く息をついた。
「なぁ、絶対泣くなよ?俺、女に泣かれんのが1番苦手だからさ」
そう前置きをして、信二はうちの顔を見る。
「……話の中身次第じゃね?ま、泣いても放っとけ」
そう笑い飛ばして話を催促する。
しばらく信二は躊躇ってる様子だったけど、吹っ切れたようにバタっと大の字になって堤防に横たわる。
空を仰いでしばらく目を瞑って開いたと同時に口を開いた。

