組長と哲さんの間に何があったのか、信二なら知ってるかもしれないから。
「なぁ……うちがいなくなった後、組長と哲さんの間に何があったんだよ」
「えっ!?」
うちの言葉を聞いた瞬間、驚いて立ち止まった信二。
やっぱ、知ってるんだ。
そんで、うちに話ちゃまずいことなんだ。
確信したけど、聞きたいよ。
お世話になりまくった組長と哲さんの為に、出来るだけのこと、出来るだけの償いはしたいから。
「信二……話してくんねぇかな」
「……時間あるか?」
「いくらでもあるよ」
ってか、予定が詰まっててもこの話を聞くためならいくらだってキャンセルしてやる。
うちにとって一大事だよ、この出来事。
「じゃ、ついて来い」
信二もうちもバイクに跨って、急発進させる。
信二の後ろについてバイクを走らせてるけど、全然見たことのない風景だ。
同じ町内なのに、こんなとこあったんだって。
「…ここだ」
信二に連れられてやって来たのは、目の前に河原が広がる堤防。
なんでこんな場所知ってんの。

