自分に少し呆れながらケータイを取り出す。
「どうした?」
「いや、この間哲さんからの電話、折り返してみたら出所わかるかと」
「あぁ、なるほど」
哲さんの新しいケータイからだったのか、6丁目の公衆電話からだったのか、折り返してみればわかる。
ってことで今かけてるんだけど……。
呼び出し音は鳴ってるけど、出る感じはしない。
「……はい、もしもし」
で……出た!?
「あの、そこ、どこっすか?」
出し抜けに訳の分からない質問をした。
「は?」
「あぁ、すいません。そこ、公衆電話っすか?」
相手は男性らしい声で、きょとんとしたような声を出した。
「あぁ……。えぇ、そうですよ。ここは6丁目の公衆電話です」
「そうっすか。……ありがとうございました」
電話を切って、ハァっとため息を吐く。
空振りかぁ……。
ってか、あの電話に出た人はどうして公衆電話なんかにいたんだろう。
会社員なら全然仕事してる時間だろう。
偶然でもおかしくはないけど……。

