「それで?稜ちゃんは何してんの」
「ってか、いつからお前もうちのこと稜ちゃんって呼ぶようになったんだよ」
こっちの質問には答えもしないで、逆に質問をぶつけてくる。
こういう勝手な感じ、友也っぽいかも。
「え?友也が稜ちゃんって呼ぶから。俺が呼んでもいいでしょ?」
それ以外に呼び方が見つからなかったから。
散々友也に“稜ちゃん”がどうと聞かされていたから、真木さんとかは違和感だらけだし。
「……まぁ、別にいいけど」
急に態度が素っ気ないのは、きっと照れているんだろう。
こういうとこは、友也とは逆だな。
だけど、なんだか愛おしくなる横顔。
なんていうか……ペットっぽい…?
「稜ちゃんっ」
気が付けば、俺は稜ちゃんを抱きしめていた。
…まるで、飼い主が犬に抱き着くような気分で。

