我に返ったとき、目の前の栗崎の顔は心なしか赤く染まってた。
「っ……」
やっちまった……。
これはもう後に引けない感じだ…。
「……俺の勝ち」
一瞬視線を外した栗崎がもう一度うちの目を見て、得意気にそんなことを言った。
「は?」
つい間抜けな声を出せば、栗崎の顔が耳の横まで近づく。
「……俺が稜ちゃんの事誘うって言ったじゃん」
その言葉に一気に顔が赤くなるのが分かった。
誘うって……そういうことか……。
今更ながら妙に恥ずかしくなった。
いや、前に一度こういうことしたけど、それとこれとは状況とかいろいろ違うし……。
頭の中でテンパっていると、栗崎の手がシャツにかかる。
「あ……っ」
わざとなのかゆっくりとした手つきで服を脱がしていくから、余計恥ずかしさが増すわけで。
胸元にやつの唇がついて熱っぽく視線が絡めば、あとはもう何も考える余裕がなかった。

