スーッと息を吸った音が電話口から聞こえて、こっちも緊張が走る。
「全部……上手く行ったよ!!!!」
「……え?」
急に耳をつんざくような大きい声が聞こえて、頭の中は一時停止する。
「親父が折れてくれた。俺らの仲も認めるし、江戸前一家にも岸田組にも手を出さない。
そのあたりの土地の買収はせずに、ショッピングモールの建設をするって」
「……」
栗崎の話を、必死に頭の中で整理する。
だけど、やっぱり足りない脳みそじゃキャパオーバーで半分も理解してない。
「稜ちゃん?大丈夫?分かった?」
黙り込んだうちを追い立てるように栗崎の声が飛んでくる。
「……つまり…一緒に居られるってことだろ?」
頭を整理している中でポンと浮かんだのは、その言葉だった。
難しいことはよく分かんないけど、うちと栗崎が一緒に居られるってことが分かればそれでいい。
「…そう、だね。そういうことだよ」
少し驚いたような雰囲気が伝わったけど、明るく言ってくれた。
その言葉が耳に届けば、自然と涙が溢れた。
どういう意味の涙かは、全然理解できないけど、とにかく涙が出たんだ。

