どこから持ってきたのか、大きく引き伸ばしたこのあたりの地図を貼ったホワイトボードを自分とおばあの間に置いて、赤ペンを持った。
「おい、香矢。うちにも分かるように説明しろよ」
半ば本気で言うと、周りがドッと笑った。
「っ……分かってるよ…」
香矢も笑いをこらえながら答えた。
ムスッとした雰囲気を醸すと、途端に空気はピンと張る。
……次期当主にする気満々だな、おい。
苦笑を漏らしていると、香矢がゴホンと咳払いをした。
「…集中的に攻めるのは、栗崎邸だ。ほぼ間違いなく、栗崎友也は家にいるはずだから籠城するぞ」
言いながら、気遣うような視線が向けられたけど、もう自分で決めたことだから。
そういう気持ちを込めて、大きく頷いて見せる。
「稜に家にいることを確認してほしいのだけれど、いいかい?」
香矢じゃ言いづらかったのか、おばあが優しく微笑みかけてきたので、それにも大きく頷いた。
「あとは、栗崎所有の長田組と横田組の事務所に突入するぞ。
これは、緒方のチームと峰永のチームに頼んだ。これには、三波とじいとお袋についてってもらう。
指揮は三波、お前が取れ」
てきぱきと指示を出す香矢を頼もしそうな目でおばあが見ている。
気配だけでも、三波とじい、お袋の気持ちが引き締まるのが分かった。

