薄暗くなった部屋の中で、うちはどこか虚しく、でも満たされた気持ちを抱えて横になっていた。
隣ではうちを愛おしそうな目で見つめる栗崎がいる。
なんだか恥ずかしくなって、寝返りを打って栗崎に背を向ける。
「……可愛い、稜ちゃん」
そんな言葉と共に腕が伸びてきて、体を引き寄せられる。
……どこかでこうなることを望んでたのかもしれない。
こうなってしまえば、今後栗崎との関係がどうなろうと構わないって…。
心のどこかで、そう思っていたのかもしれない。
「栗崎……、シャワー借りるわ」
「…寝室の奥」
なんだか眠そうな声でそう発して、腕を解いてくれる。
寝室に進んで、さらに奥にあるバスルームのドアを開けると、真新しいバスタオルがいくつも積んである棚が目に入った。
そこから一つバスタオルを取って、風呂場の前に投げ捨てる。
浴室の扉を閉めて鏡に映った自分の姿を見て驚いた。
首筋、鎖骨、胸元、わき腹、腰、と無数に咲いた赤い華。
栗崎に愛された証拠。
これが、たった一度の夢でも構わない。
これでうちは、栗崎家と戦う決心がついた。

