「……稜。私は翼先輩となんの支障もなく付き合えたけど、普通はそうじゃないんだよ?
現に、栗崎先輩だってそうじゃない。稜のことずっと好きだって言ってくれてたけど、稜は頑なに拒否してたわけだし。
稜が好きになったのは、栗崎先輩が稜のこと好きだって言ってくれてるからでしょ?
…そういう簡単な恋ばっかりじゃないってこと、忘れちゃだめだよ?」
聖華の言葉に説得力があるのは、聖華が今までいろんな恋の経験をしてるからなんだろうな。
「…わかったよ……」
もう栗崎との付き合いに利益みたいなの求めたりしない。
「それに。友也はうちの学校のアイドルなんだから。付き合いたいって思ってる女子がどれだけいると思ってんの?
そう考えたら、稜ちゃんはすごいシンデレラガールだろ?」
綾村がなんだか誇らしげな表情でそう言った。
シンデレラガール……ね。
「……だからお前は。稜ちゃんって呼ぶんじゃねぇよっ!!稜ちゃんって呼んでいいのは俺だけだって___」
「じゃ、俺らはそろそろ帰るかな」
またもや栗崎の突っかかりを華麗にスルーして、綾村は聖華の手を取った。
「お邪魔しましたぁ~」
「じゃね、稜」
ひらひらと手を振りながら唐突に2人は栗崎家を後にした。

