栗崎の手が中ランのボタンをすべてはずし終えて、うちのTシャツの中に入る。
「待って栗崎!!……ダメ。絶対ダメ」
もう一度栗崎の腕を押さえて、必死に訴える。
「なんで?……俺、もう我慢も限界だよ」
本当に悲しそうな顔をするけど、そんなこと知ったこっちゃねぇ。
思い切り足を上げて、栗崎のバランスを奪うと、上体を起こして栗崎の肩のあたりを思い切り突く。
「わっ!?」
と声を上げて、栗崎の体が倒れると同時にベッドから飛びのく。
喧嘩するときみたいに構えて、肩を押さえている栗崎を睨む。
「稜ちゃんは……俺のこと、嫌いになったの?」
なんとも悲しそうな表情で俯いた。
「ちがっ…。そうじゃ、なくて……」
急いで中ランのボタンをはめながら慌てて栗崎をなだめる。
「じゃ、なんで……?」
違う。
こんな栗崎が好きなんじゃない…。
こんなに自分中心な栗崎が好きなんじゃないよ…。
いつも自分中心だけど、それはちゃんと回りも見ての自分中心だもん。
今日の栗崎は、うちのこと考えてない。
自分のことしか、考えてないよ。

