いつになく真面目な顔をして、栗崎はそう言った。
「っ……」
知らねぇよ、そんなこと。
口からでかかった言葉を飲み込む。
この距離感で喋れるほど、うちの度胸は据わってないし、こんな状況に慣れてもいない。
抵抗しようと体に力をいれるけど、腕を栗崎に押さえられてるせいで、うまく言うことを聞いてくれない。
「……ね、いいでしょ?」
栗崎の問いの意味が分からずに首をかしげて見せると、ふっと笑ってうちから視線をそらした。
でもすぐにその視線は戻ってきて、またゆっくり顔が近づいてきた。
今度こそ、不意打ちなんて食らわねぇぞ!!
そう気持ちを込めて、顔を完全に栗崎から背ける。
一瞬、栗崎の動きが止まったように感じたけど、すぐに近づいてくる。
「えっ……」
栗崎は、うちの首筋に顔を埋めていた。
横を向いたまま目を見開いて、すぐにでも顔を元に戻したいけど、栗崎の顔が首のあたりにあるから、戻せない。
「っ…ちょ…」
なんか恥ずかしくなって、声さえも出ない。

